”旬”とは何なのだろう? by YODA

プロデューサーなんて職業を生業にしていると、常日頃考えてるのは、今何が一番”旬”だってこと。誰が一番”旬”な人だってこと。


”旬”を辞書で引くと、「評判になっているさま、また最新であるさま」とあります。てことは、”旬”の状態を過ぎ1つ時代が古くなると、逆にもっともダサく”旬”じゃなくなっちゃうわけです。でも、これホント難しいのです。その線引きが・・・。


先日、遅くまで広告のキャスティング会議をやっててそんな話になりました。キャスティング会議とは「その広告に誰に出演してもらうか?」って会議です。いろんな有名人やタレントさんの名前が上がり、まあ喧々囂々するわけです。すると行き着くのが・・・その人が、”旬”なのかって類の話。


“旬”な人ってのは、要するに今”きてます”って人なわけで、まあニューカマーなわけです。ということは知らない方は絶対知らないわけで、でその知らない方は既にその”ニューカマー”を知らないんだから、まあ要するに情報に疎い方なわけで、でだいたいクライアントのモノゴトを決める方はだいたい年齢的にもそういう類いの方が多く、その方が納得するキャスティングをすると、まあ、なんていうか、ひとつ古い”旬”になってしまうわけです。


それで、実はそこがくせ者で、ひとつ古い”旬”てのは、ある意味情報に敏感な人にとっては、今ものすごくダサいわけで(笑)、ならせめてさらにもうひとつ古いのを選んだ方が逆に”一周回って”イケてるってことはよくあることなのですが、それを先の情報に疎い方にプレゼンすると、その人の情報自体が一時代前なわけだから、2つ古い”旬”をプレゼンしたら、その人の中では今やもっともダサい”ひとつ古い”人なわけで拒絶反応はすざまじいわけです。、、、だからってその人に”あんたって、そのセンス遅れてるんだよ”って云うわけにもいかないし。てことで、”旬”なキャスティングを目指すと、一番”旬”じゃない人がキャスティングされるという悲劇が往々にして起こるのです。


こんなこと言ってるのに拘わらず、さらに難しいところは「そんな僕自身の感性がすでに古くないか?」ってこともありますし。それって自分では気付かないことですし。



ホントはそんな”旬”だ”旬じゃない”みたいな情報に踊らされないのが一番よいのですが、、、難しいです。ご意見お待ちしています!

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